理工学部・ソフトウェア工学科

教授  青山 幹雄

専攻分野 ソフトウェア工学
主要論文 M. Aoyama, Agile Software Process and Its Experience, Proc. 20th ICSE, 1998. 青山幹雄ほか(編著)、ソフトウェアテクノリジーシリーズ(全12巻)、共立出版。
将来的研究分野 ソフトウェアサービス技術
担当の授業科目 ソフトウェア工学、ソフトウェア開発技術、ネットワークソフトウェア工学、ソフトウェアプロジェクト管理

プログラミングからソフトウェア工学へ

コンピュータとの出会い
 私がコンピュータと出会い、初めてプログラムを作ったのは高校時代でした。作ったプログラムが動いたときの感動は何ものにも代えがたい。私は、たちまち、プログラミングの虜になったのです。今では、コンピュータなど珍しくありませんが、当時は、学校にさえなかったので、貴重な経験でした。
 大学では、計算機センターと呼ばれる共同利用施設でアルバイトをしていたお陰で、コンピュータを自由に使えました。当時、やっと、ディスプレイ付きの端末からプログラムを作ることができるようになったところでした。また、パソコンの黎明期でもありました。NECのTK-80というキットが話題になりました。そこで、仲間で、雑誌の記事を参考にしてコンピュータの回路を設計し、CPUやメモリなどの部品を買い集めてコンピュータを手作りしました。こんなこともあって、コンピュータ占いのプログラムを作り、大学祭で資金稼ぎもしました。
職業としてのプログラミング
 大学院を卒業して、コンピュータ会社に入りました。毎日、プログラムを作ることが仕事になりました。それは、楽しいことでした。しかし、学生時代のプログラミングとは、まったく異なる要素があったのです。複雑なシステムを制御するために、膨大な量のプログラムを作る。そのため、多くの人が共同で作る。当然、期日が決められています。何より、誤り、すなわち、バグがあると、大変な問題を引き起こし、顧客や社会に迷惑をかけることです。
プログラミングからソフトウェア工学へ
 「ソフトウェア」は、ハードウェアと対比して、プログラムやマニュアルなどを総称する言葉です。その意味で、企業で開発されるのは、単なるプログラムではなくソフトウェアです。ソフトウェア開発の経験を積む中で、ソフトウェアを作ることより、「どうソフトウェアを作るべきか」ということに興味が沸いてきました。勿論、学生時代から、どう作るかは考えていました。しかし、個人でプログラムを作ることと、多くの人が、組織的に、かつ、顧客の要求する機能や品質を満たすソフトウェアを開発することには本質的な違いがあります。
 これは、実務でソフトウェアを開発している多くの人が直面している大きな課題です。機械や電気機器の設計、製造を対象とする学問が機械工学、電気工学と呼ばれるように「ソフトェア工学」が生まれたのは、1968年のことでした。ソフトウェア工学は、現代の情報化社会が生んだ新しい学問であり、最も必要とされており、挑戦すべき多くの未解決の課題がある、活気にあふれた分野です。